本のおすすめ:スチュワート 微分積分学Ⅰ

スチュワート:微分積分学I

微積分を深く理解したい独学者へ

どのような本か

  • 基礎から難関レベルへ: 初歩的な内容から始まり、次第に難関大学で学ぶような、難しい微分積分の理論的内容へと進みます。
  • 丁寧な解説とグラフ: 初心者でも理解できるように、グラフなどを用いて非常に丁寧に説明されています。基本的な事柄から書かれているため、読むだけでも数学の知識が身につきます。
  • 計算問題集ではない: 単に微分積分の問題を解くことだけが目的であれば、この本は必要ありません。理論の理解に焦点を当てています。

本の内容と構成

  • 対象巻: スチュワートの微分積分学はIII巻までありますが、本書はI巻であり、微分積分の基礎的な部分を扱います。
  • 主な項目: 関数と極限、導関数、微分の応用、積分、積分の応用など、基礎的な章立てがされています。
  • 理論的な説明が中心: メインとなるのは計算方法ではなく、理論的な説明です。計算方法についての説明や問題も数多く掲載されていますが、答えのみが記されており、解答方法は書かれていません。
  • 応用的な文章題: 微積分がどのように応用されるかを知るための、応用的な文章題も豊富です。
  • 注意点: 本書はあくまで微積分を理解するための論理的な解説に徹しており、微積分の歴史に関する記述はありません。また、学校で出題されるような問題の解法を学びたい場合は、別途問題集が必要です。

誰が買うべきか

  • 深い理解を求める人: あらゆる分野で応用されている微積分を、詳しく、理論的に理解し身に着けたい人におすすめです。
  • 独学者: 高校程度の数学の素養があり、微積分を独学で理解したい人であれば十分取り組めます。
  • 他書で挫折した人: 他の本で微分積分を理解するのが難しかった場合、本書を読む価値は高いでしょう。
  • 応用を知りたい人: 各分野で応用されている微積分についての説明が多く掲載されています。
  • ε-δ論法の解説: 重要な論法であるε-δ論法についても、図版付きで平易な言葉で説明されており、おそらく他のどの本よりも易しい解説となっています。ただし、この論法の歴史的経緯については触れられていないため、副読本での学習が必要です。

購入が推奨されないケース: 難関大学以外の大学生が、学校の成績を上げる目的のみで読む本ではありません。

文系でも理解可能か?

  • 説明の平易さ: 説明自体は平易で、文系の方でも理解できる構成にはなっています。
  • 前提として: 内容は理系向けに書かれており、すべてを理解するためにはそれなりの努力が必要です。
  • おすすめの進め方: 文系の方が本書を読みたい場合は、まず手始めにもっと初心者向けの微積分の本や数学入門書を何冊か読んでから取り組むのが理想的です。
  • 意欲があれば: 初めての微積分の本として本書から読み始めたとしても、読破は可能です。やる気があるなら試してみる価値はあります。

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