
微積分を理解したい独学者にもおすすめ
どのような本なのか
この本は難関大学で学ぶような難しい微分積分の内容です。初心者でもわかるように丁寧にグラフなどを用いて説明してあります。基本的な事柄から書かれているので、読んでいるだけでも数学の知識が身に付きます。単に微分積分の問題を解きたいだけならこの本は必要ないでしょう。
この本の内容
スチュワートの微分積分学はIII巻までありますが、これはI巻で微分積分の基礎的な部分になります。序には関数と極限、導関数、微分の応用、積分、積分の応用があると書かれています。
主な内容は計算方法ではなく理論的な説明になります。計算方法については一応説明があり、問題も数多く掲載されています。しかし、答だけで解答方法などは書かれていません。問題は内容を理解するためにあるようです。ですので学校で出題されるような問題を解きたいのであれば、別途問題集などを購入する必要があります。
また微積分の歴史に関しては載っていません。あくまで微積分を理解するための論理的な解説です。
誰が買うべきか
この本を購入するべき人は、あらゆる分野で応用されている微積分を、詳しく理解し身に着けたい人になります。ほかの本で微分積分を理解するのが難しいならば、この本を読む価値はあるでしょう。
難関大学以外の大学生が、学校の成績を上げるために読む本でもありません。読み進めるうえで難しい部分はほとんどありません。高校程度の数学の素養があり微積分を理解したい人なら、独学者でも大丈夫だと思います。
各分野で応用されている微積分についての説明も多く掲載されています。ε-δ論法という重要な論法があるのですが、図版付きの平易な言葉で説明されています。おそらくほかのどの本よりも易しい説明になっているものと思います。ただ、この論法の歴史的経緯については書かれていないので、副読本なので学ぶ必要があります。
文系でも理解可能か?
説明は平易で文系でも理解できると思いますが、理系向けに書かれた内容の本です。すべての内容を理解するためにはそれなりの努力が必要になるでしょう。もし文系がこの本を読みたいのならば、まず手始めにもっと初心者向けの微積分の本や数学入門書を何冊か読むのがいいと思います。
しかしこの本から読み始めたとしても、読破は不可能ではありません。やる気があるなら試してみる価値はあると思います。