老子とは
老子は中国の春秋戦国時代に書かれた古典です。著者は不明です。文章自体はそれほど長くはありません。論語と比べると少し長い程度です。
論語は孔子を中心として理想を実現しようとした人々の思想の記録ですが、老子は現実を冷静かつ正確に観察して人の生き方を主張したものです。老子は現実に背を向けたように書かれていることが多いのですが、原書を読む限り理想に対する想いは孔子より強いのではないかと思います。常識など当たり前のことを批判的に書いているので、現実に背を向けたように思われてしまったのではないでしょうか。
もしくは、現実と理想の差が激しく、現実に背を向けてしまった老荘思想家が後世にいたのかもしれません。
老子の主張を簡単にまとめると、我を張ったりしないで無理をせず欲張りすぎずに生きるべきだ、ということだと思います。また人々の理想とするものには矛盾が多く、常識とされることの多くは絶対化などできない、と言いたいようです。
老子という書物は決して仙人のような非現実的なものを目指すようなものではありません。普通の人々が持つべき考え方の書かれた書物だと思います。
このページのついて
このサイトには、僕の好きな古典である老子の日本語訳と解説があります。
もともとブログで論語の訳と解説をなんとなく書いていたのですが、一番好きな老子の訳を書きたくなり、途中から老子の訳がメインになりました。全くの趣味で行っているので、訳や解説には正当性といえるようなものはありませんが、僕が考える老子の正確な解釈を書いたつもりです。また、書くことと考えることを同時に行っているので、後で書き直すこともよくあります。まだ途中なので、全ての訳があるわけではありませんが、今後完成へ向けて制作していきます。
訳は「帛書老子」をもとにして書いています。参考にしている本は主に輸入書です。